大樹町からお届け畑の真ん中だより

違う畑で作業していても、それぞれがやるべきことをやりきる大切さ

2024年5月29日

これまでのところ、オーランドファームのある北海道十勝 大樹町ではまとまった雨が降っていません。干ばつとまではいきませんが少雨なので、今後タイミングよく雨が降ってくれることを期待しています。 

オーランドファームの畑は全部で150haあります。畑の中には離農した土地を譲り受けたものも含まれており、場所によっては5キロ以上離れています。毎日、作業内容を確認してスタッフを振り分け、それぞれの畑で同時に進めていきます。この日は3班に分かれて作業しました。

1班~ダイコン間引き&除草

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この日の間引きと除草作業班は4人。間引きは自走式の間引き台車にうつぶせに乗って、黙々と間引きをしています。昨年入社した渡部さんもテンポよく作業しています。 

ダイコンは2粒ずつ種を植えているので、播種から約2週間後、本葉が出たタイミングで間引きをします。「元気なものを残す」「虫食いのないものを残す」「よく似た芽のアブラナは間引く」などいくつものコツやポイントがありますが、難しいのは台車が動くスピードに合わせて、2本の芽のうちどちらを間引くか瞬時に判断しなくてはならないこと。 

慌てて間引くと間違ってしまうし、じっくり考えていると終わらない。うっかり2本抜いてしまうと何も生えてこないし、間違った方を間引くと生育に差が出るし、アブラナを見逃すとダイコンの中にポツンと黄色い花が咲く。「結果が目に見えてわかる」のが間引きの難しさです。 

オーランドファーム随一の間引きスピードを誇り、「間引きマスター」と呼ばれている(笑)青砥さんによると間引き作業は「経験はもちろん、向き不向きがある」と言います。また「間引きは大好き。1本終わると達成感があるし、無心で間引いていると時間が経つのが早いので一日がすぐ終わる」とも話していました。

ちなみにこの畑は向こう端まで260m1畝に2列あるので、1往復して一畝を間引くのに約40分かかります。
現在2台体制の間引き台車ですが、もう少ししたらバージョンアップした間引き台車が加わる予定です。ダイコンがぐんぐん育つ時期までに間に合いますように...!

2班~ソバ畑のサブソイラー

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三男の託三が担当。機械乗りは大体いつも一人。

 これからソバを蒔く畑で「サブソイラーがけ」を行っています。トラクターの後ろにつけている農機具が「サブソイラー」で、鋭い金属製の爪で地面をひっかいて深い切り込みを入れていきます。この作業により、大型農機が何往復もすることで機械の重みで踏み固められて硬くなった畑の土をほぐし、水はけを良くし、のびのびと根が張れる土に再生します。
これまではソバ収穫後の秋に行っていましたが、作業工程の変更で今年から春に行っています。播種に間に合わせるため、春先がちょっと忙しくなりました。 

さて、今年の十勝海霧そば®511日から播種が始まりました。
昔から「カッコウが鳴いたら豆を蒔け」と言われており、霜が降りる心配がなくなる合図として使われてきました。そのため、ソバも豆と同じタイミングで播種していました。しかし数年前からは「カッコウの初鳴きを待たずに」播種を始めるようになりました。

その理由は、通常ソバは播種から90日で収穫すると言われていますが、この地域では100日程度かけたほうが良いことがわかってきたからです。収穫時期の天候や台風などを考慮すると、収穫を遅らせるよりも播種を早める方が良いという判断からです。

温暖化の影響もあり、遅霜はないだろうと思っていた矢先、5月下旬に最低気温が0℃になる日があって焦りました。ソバは一度でも霜にあたるとダメになってしまうからです。農業の難しさは、自然が相手なのでどんなに計画しても思い通りにならないところにあります。影響がないことを祈っています。

3班~ダイオウ抜き

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この日、一番人数が多かった班は8人。以前も紹介したダイオウ抜きを行いました(2024年シーズン、始まりました!)。前回紹介したダイオウ抜きをした畑は、無事にダイコン畑になっています。去年緑肥だったこの畑も、この後ダイコン畑になる予定です。

それぞれが、それぞれの責任を果たす

コツコツと作業し、自分の責任を果たすことで良い土ができ、良い作物が育ちます。たとえ違う畑で作業をしていても、収穫に向けてスタッフ全員が一丸となり、やるべきことをしっかりやりきることの大切さを毎年感じています。これからも手を抜かず、気を抜かず、頑張っていきたいと思います。

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芽が出たばかりのソバ畑です。すくすくと育ってほしいです!