日本の生活にかかせないだいこんの種類
昔から愛され、さまざまな料理に使われている大根は、日本の生活に欠かせない野菜です。
美味しいだけでなく栄養価も高い、まさに万能な健康野菜です。
大根の由来
大根はキャベツと同じアブラナ科で、地中海沿岸が原産地。古代エジプトや古代ギリシア・ローマでも食べられており、中国・朝鮮を経て縄文時代か弥生時代の始めに日本に伝わりました。春の七草である蘿蔔(すずしろ)は、大根のことで「オホネ」とも呼ばれていました。元禄時代に蕎麦の薬味として辛味大根が広まり、江戸時代には品種改良が進んでさまざまな料理に使われるようになり、今では日本人の生活に欠かせない野菜となりました。
食べて健康になろう効果・効能
胃腸を整える
消化を助け、胃もたれ緩和に役立つジアスターゼなどの消化酵素が含まれます。熱に弱いのでサラダなど生で食べるのがおススメ。
殺菌作用
辛味成分「イソチオシアネート」には強力な殺菌作用や解毒効果が。時間が経つと失われるので、大根おろしは食べる直前に!
栄養が豊富
葉は美肌効果や抗酸化作用の強いβカロテンやカルシウム、鉄分など栄養豊富です。葉付き大根があったらぜひ食べてみて。
全国にある
いろんな種類の大根
三浦だいこん
神奈川県の三浦で生まれた品種で、真ん中が太くなっている白首大根。 肉質はきめ細かく、生では辛味が強いのですが、荷崩れしにくく、煮物にすると甘みが出るため「ふろふき」などにもされています。主に正月商材として冬季にのみ流通しています。
亀戸だいこん
「亀戸大根」は別名「お多福大根」と呼ばれ、文久年間(1860~1864)から大正・昭和のはじめ頃まで、その名の通り当地・亀戸で栽培されていましたが、宅地化が進み、今では「幻の大根」となってしまいました。
練馬だいこん
大根の練馬か、練馬の大根かと言われるほどに名をはせた練馬大根は、元禄の江戸時代から栽培されました。当時江戸野菜の供給地として、練馬大根の栽培も発展していきました。その後、昭和30年頃から栽培が衰退し、練馬大根が出回ることがほとんどなくなってしまいました。
聖護院だいこん
聖護院(しょうごいん)大根は京都で生まれた丸い大根で、京都の伝統野菜です。単に形がまるいという違いだけではなく、肉質がとても柔らかいのに 煮くずれしないのが特徴で、辛味や大根臭さが少なく、甘みがあり、田楽やふろふき大根など煮て美味しい大根です。
源助だいこん
加賀大根「源助だいこん」は、金沢市打木町の篤農家・故松本佐一郎氏によって育成されたものです。早生種で肉質が柔らかく、大根らしい歯ざわりで煮崩れしにくく、煮物用だいこんの代表品種で、おでんには最高です。
辛味だいこん
辛味大根といっても、細長いものから逆円錐系のもの、丸いものなど地方によりいろいろな形のものがあります。ここでは京都の伝統野菜になっている物を取り上げました。形は小かぶに似ています。肉質は緻密できめが細かく、強い辛味があります。そばやてんぷらの薬味に。
守口だいこん
守口大根の根部の直径は2cm程度ですが、長さは1.2m程度にもなり、非常に細長いのが特徴で、基部から先端部までほぼ同じ太さとなります。最も長いものでは根部が1.8m以上にもなり、世界で一番長い大根の品種といわれ、愛知県の伝統野菜です。
親田辛味だいこん
下條村親田地区で栽培される地大根。肉質は緻密で水分が少ないので貯蔵性に優れています。青首大根に比べ、辛味成分イソチオシアネートを4倍近く含んでおり、主におろし大根として食されますが、中でも蕎麦との相性は抜群です。
桜島だいこん
桜島大根は、200年以上の栽培歴史をもつギネスにも登録されている大根です。重量は平均で10~20㎏です。煮込んだ桜島大根は味のしみ込みが早く、甘みがある。柔らかいのに煮くずれしにくいといった特徴があり、おでんやブリ大根、漬物などによく利用されます。