大樹町からお届け畑の真ん中だより
ペットボトル大根チャレンジ!<5>~トラブル発生編
良いニュースと悪いニュース、どっちから聞きたい?
今回はアメリカンジョークのような出だしで失礼します。では「良いニュース」からいってみます!
良いニュース:瀕死の6番が奇跡の復活を遂げる!
大石社長からのアドバイスを受け、ペットボトルの置き場所を砂利の上から土の上に移動したことで、虫の息だった6番が不死鳥のごとく蘇りました!見てくださいこの復活劇を!
間引き前に車の中で倒してしまい、首の皮(根の皮)1枚でかろうじて助かった6番。「もうダメだろうな」と諦めながらも、完全に枯れはしなかったので様子を見ていたのですが、まさかの復活、まさかの急成長。とにかく毎日の変化が著しく、生命力のすごさに驚くばかりです。今では葉の色つやもよく健康そのものなので、これからも無事に成長してほしいです。
悪いニュース1:ダイコンハムシに狙われる!
では次に悪いニュース。
前回イモムシを発見しましたが、どうやら食害の本命は「ダイコンハムシ」だとわかりました。このダイコンハムシ、成虫・幼虫とも葉を食べ、ひどい時には葉脈のみ残して葉を食べ尽くしてしまうという害虫。葉がなくなると光合成ができないため、土の中の大根本体も成長することができません。見つけ次第取っていますが、生き残った虫もいるらしく、日を追うごとに葉っぱがみすぼらしい状態になってきました。
広い畑なら殺虫剤の出番ですが、6つしかないペットボトルですから、せっせと虫取りに励みたいと思います。
悪いニュース2:緊急事態発生!大石農産側だけ枯れていくのはなぜ!?
実は本当の悪いニュースはここから。
なんとなく「大石農産の畑の土に植えたほうだけ成長が遅いな」とは感じていたのです。きっと気のせい、と現実から目をそらしていたものの、日に日に成長の差が明らかになってきます。
上段が買ってきた土、下段が大石農産の土。
7/9朝、ついに無視できないくらいの差になりました。
大石社長に聞くと「買ってきた土と比べて成長が遅いのは窒素不足。葉の色も薄いし、明らかに硝酸態窒素が少ない」と即答。さらに追い打ちをかけるように長男の将寛さんから
「播種前の土なら窒素肥料は入ってないです。畑では播種と同時に窒素肥料を入れるので」という衝撃の事実を聞かされます!
窒素肥料が入ってない!
そうだったのかーーー!
いや、播種機の説明動画を見れば播種時に窒素肥料を同時投入していることは明らかです。さらに硝酸態窒素についても説明を受けたばかり。これは畑の土をもらってきたから大丈夫に違いない、と思い込んでいた私のうっかりミス、いや勉強不足です。
ただその時点ではまだ、そのうち液体の窒素肥料でも買ってこようかな、くらいの気持ちでのんびり構えていました。
しかし事態は急変します。その日まで1か月近く気温が低く霧や雨が続いていたのに、午前9時を過ぎたあたりからぐんぐんと気温が上昇し、あっという間に真夏日になりました。
そして一夜明けた7/10。ペットボトル大根を見た私は「あっ!」と声を上げてしまいます。
明らかに昨日より葉っぱが黄色になっています!さらに全体的に元気がなく、しんなりしているではないですか!これはヤバい。もはや「肥料買ってこようかな」なんてのんびり構えている場合ではありません。
もしも大石農産側だけ枯れてしまったら、企画そのものが失敗に終わります。第1回目で「サボテンも枯らす女」なんて笑っていましたが、こんなところで本領発揮はしたくない!と、迷わず大石農産に駆け込みました。
窒素肥料投入!復活なるか?
ペットボトル大根を見るなり「あー、これは相当...」と言葉を濁した大石農産スタッフ。その様子にただ事ではない空気を感じ「えっ、瀕死ですか?」「もうダメですか?」と焦って何度も聞いてしまいました。
大石社長は「いやまだ、完全に枯れてないから間に合うはず」と本来であれば播種の時に入れる窒素肥料を投入。「すぐに水をたっぷり上げて肥料を溶かして」とアドバイスされました。
さてこの後、無事育つのでしょうか。大根の生命力を信じたいです。
それにしても今回、瀕死から起死回生を遂げた6番といい、1日で葉っぱが黄色くなった大根といい、植物は思っているよりずっと天候や環境の変化に敏感で、短時間で様子が一変するのだということを実感しました。
大石社長が常々「大根収穫期は畑に張り付いていないとだめだから遠出できない」と言っている意味が分かったような気がします。
いつも変わらず青々と茂っているように見える畑も、たくさんの配慮で成り立っているのだと改めて思いました。