大樹町からお届け畑の真ん中だより

ペットボトル大根チャレンジ!<6>~根の話

2020年7月28日

さて今回は、普段あまり考えたことのない「根」についてです。
大根というと、つるりとした白い肌を思い出しますが、実は畑の中では根がボーボーに生えています。
ペットボトルで大根を育ててみて初めてその存在に気が付きました。

ペットボトルの中では根がびっしり生えていた!

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白い糸に見えるのは「毛細根(もうさいこん)」などと呼ばれる細い根です。
普段は地中にあるため、存在に気づくことはあまりありませんが、こうして透明なペットボトル越しに見ると、かなり密集して生えていることがわかります。

私たちが通常「大根の根」と認識しているのは「ひげ根」と呼ばれるもので、毛細根よりずっと太い側根です。ひげ根は、大根を大きく育てるのに必要な養分を吸収する役目があります。
毛細根は、品質や風味向上に必要な養分を吸収する役目を担います。そのため、毛細根の数が多ければ多いほどおいしい大根ができるといわれています。

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大石社長によると、毛細根はなんと1~2メートルも伸びるのだとか。通常であれば株を中心にして、縦にも横にも下にも存分に根を伸ばすのですが、ペットボトルでは叶いません。そのため底にもびっしりです。

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さらには土の上にまで出てきました!
毛細根にはさらに細いふわふわの毛が生えており、「毛の先の先まで使って栄養分を吸収するぞ!」という意思を感じます。
実は最初はカビかと思って焦ったのですが、行き場を失った根だと知り、こうまでして栄養を吸収しようとしている姿に感動とともに、なんだか大根に申し訳ない気持ちになりました。

【大石社長からのコメント】
「根は土から必要な養分を吸収する」というと、一方的に栄養を吸い上げるイメージを持つかもしれないが、ニュアンスが少し違う。作物の根は成長のため古い表皮を土の中にいる微生物に食べてもらい、微生物はそれをエサにして、作物が栄養を吸収しやすい酵素を作るなど、実は作物(の根)と土(の中の微生物)とは共存関係にある
(関連ブログ:微生物を味方に!大石農産が除草剤を使わない理由

そのため、作物の成長と品質の向上のためには単に土に肥料を入れればよいわけではなく、根が十分伸びることができる、柔らかくて微生物がたくさん存在する土づくりが重要になる。生きている土にするためには土壌分析に基づいた肥料設計が大事。種をまく前から勝負は始まっている。

今回のペットボトル大根に関しては、根の行き場がなく、土も微生物も少ないのでどんな大根になるかまったく予想がつかない。できればペットボトルを黒く塗るか、黒い紙やマルチで覆って根の発達を促したい。
※根の観察のため、今回はあえて透明のままでいきます。

おまけ:ひげ根の話

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私たちが思い描く大根の根といえばこれ、「ひげ根」ではないでしょうか。
実はこのひげ根の並び方と数で、育った環境がわかるのです!
ひげ根がまっすぐ等間隔に並んでいて、数が少ないものほど土の中ですくすく育った証拠。ひげ根がらせんを描くように並んでいたり、並びが不規則だったり数が多かったりする場合は、土が固い、石などの障害物があるなどの理由でまっすぐ成長できなかった証なのです。
ストレスなく素直に成長した大根は、辛みが少ないといわれています。ぜひスーパーなどでの大根選びにお役立てください!