大樹町からお届け畑の真ん中だより
レッツトライ!間引きクイズ!
種を2粒まく理由とは
今回は「間引き」についてです。
大根は、芽が出なかった場合に備えて2粒ずつ播種(はしゅ=種まき)します。2粒まけばどちらかが出る――という保険的意味合いが一番の理由なのですが、1粒ずつまくより「芽立ち」(めだち=芽が出ること)が良いのです。そして2つの芽は競争し合うので育ちも良くなります。
大根の世界も競争。人間界にも通じるものがあり、奥深いです。
さて、2粒まいて2つの芽が出れば、当然必要になるのが「間引き」。
大石農産ではこの機械を使います。「間引き台車」と呼んでいます。
間引く芽を判断するのは人の目と手と経験値が必要
今「機械ちゃうやん!手で間引いてるやん!」というツッコミの声が聞こえました。
そうです。エンジンありの自走式とはいえ、間引き台車はあくまでも「台車」。歩いて間引くのは腰や膝に多大な負担をかけるため、少しでも楽にするための道具です。
間引きそのものは、人の目で確認し、人の手で1本1本抜いていくのです。雑草抜きと合わせて、二大手作業です。(微生物を味方に!大石農産が除草剤を使わない理由)
前述の座りタイプだと背中がガチガチに凝り固まるため、寝そべって間引けるよう改良しました。
しかし寝そべりタイプは眠くなるのが玉にキズ。
なんせ午前3時半から収穫作業をした後の間引き作業ですから、眠いこと眠いこと。
ハッと気が付いたときには間引きしないまま台車が進んでいき、バックで戻ってやり直すこともあります。ちなみにこの畑、向こう端まで30分。往復約1時間で1畝間引ける計算です。果てしないです!
2つの芽のうち、どちらを残すか? 迷っている時間はありません
瞬時に判断し、間引くには経験値が必要です。今は大石農産一の間引きスピードを誇る山口君も、最初の年は時間がかかる上に失敗ばかりしていたそうです。台車のスピードについていけず、徒歩で延々と作業していたので体がしんどかった、と話していました。
(大石農産企業PM をご覧ください。3分48秒付近に間引き台車の映像あり。スピードがわかります)
レッツトライ!間引きクイズ!
そこで問題です!
これからお見せする大根の芽、あなたならどちらを残しますか?間引く理由も答えてください!
※マルチの穴の形状は秘密なので、一部画像処理をしています。
<答えと理由>
右側を残します。
これは簡単、大きさが違いますね。よく育っている方を残します。
<答えと理由>
上側を残します。
大きさはほぼ同じですが、よく見ると下側の芽は、双葉が3枚あります。形状が正常のものを残します。
<答えと理由>
左側を残します。
シーダーテープに埋め込んだ種の位置がマルチの穴からずれていたなどの理由で、マルチの下に芽が出た場合、「焼け」てしまいます。色が黄色くなったり、芽がフニャフニャな形になっていたり。こちらも形状が正常のものを残します。
第4問<上級編>
3つの芽が出ていますが、あきらかにこれは間引く!というものを答えてください。
<答えと理由>
1番手前の芽を間引きます。実はこれだけ、大根の芽ではありません。
双葉、本葉ともにそっくりですが、同じアブラナ科のナタネです。
このように、他の芽が混じっていることがあり(土に混じっていたと思われます)、しかもこの段階では大根と区別がつきにくいナタネを見分けるのは高難度です。
たまに間違って残してしまい、収穫時に大根畑の中にポツーンと黄色い花が咲いていたりします。
第5問<上級編>
最終問題です。赤丸で囲んだ2つの芽のうち、どちらを残しますか?
<答えと理由>
赤丸内の左側を残します。
赤丸外と比べると赤丸内の芽が大きいのがわかりますか?
写真だと分かりにくいのですが、畑全体を見るとこの2株だけ、他より大きいのです。
その場合、大きすぎる方を抜きます。今回は赤丸内でもさらに大きい右側を抜きます。
大きいほうがいいんじゃないか、と思うかも知れませんが、大きさの揃った大根をたくさん収穫したいので、大きすぎるものは間引くのです。せっかく大きく育っているのに無情なんですが...。
いかがでしたか?間引きクイズ、何問正解したでしょうか。
全問正解の方はぜひ大石農産へ!(笑)
(雇用情報)
間引きは播種から約2週間後に行います。現在収穫作業真っ盛りですが、8月上旬までは播種もしています。ということは、8月中は間引き作業もあるということ。
眠気に耐えてがんばります!