大樹町からお届け畑の真ん中だより
農業に関わる仕事がしたいという学生さんがやってきた
都内のキャンパスに通う Kさんは経済学部で農業経済を学ぶ大学2年生。食べることが大好きで、一番幸せなときは美味しいものを食べているときというお嬢さんがインターンシップで大石農産にやってきました。今日は蕎麦製粉のプロセスを体験してくれています。
(Kさんの希望で顔出しNGですが、キャップとマスク着用ならOKがでました。後にちらっと見切れているのは開拓舎マネージャーの栗田さん。)
「農業でも儲かるんだ!」
ご両親も農業に関係のないお仕事をなさっていて、とくに農業に縁のない生活をしていた Kさんが農業に興味を持ったのは高校1年生のとき。テレビでアスパラ農家さんが取材されているのを観て「農業でも儲かるんだ!」と思ったことがきっかけだそうです。「じゃあ、農業は儲からないと思っていた?」と聞くと正直に深く頷いてくれました(笑)
その後 Kさんは進路は農業方面に定め、大学進学後も変わることなく学問としての農業を学んで現在に至ります。今のところ、将来は農業に関わる仕事がしたいというところは決まっているものの、畑作だけでなく酪農を含めた農業の現場を起点にして、生産者と消費者をつなぐような農業周辺の分野まで広く見聞を深め進路を定めたいと考えているそうです。
「十勝って有名じゃないですか!」...そ、そうなのか
そんな Kさんがインターンシップの就労先として大石農産を選んだのは大石農産とも縁が深い株式会社グロッシーの北村貴さんとの知己を得たこともありますが、それ以前から十勝に来たかったとのこと。はたして農業が儲かるや否や、現場から学びたかったそうです。
北海道に憧れる人は少なくないと思いますが、その中でなぜ十勝だったのでしょう?との質問には、意外なことを訊かれたという表情で「だって十勝って有名じゃないですか!」と言ってくれました。我々十勝の人間が思っている以上に十勝というブランドは浸透が進んでいるのかもしれません。
「初日から、朝3時半に起きて仕事をすると聞いて驚きました(笑)」
いきなり他の職員と同じリズムで生活してもらうことは無理なので、Kさんには普通に朝6時半に起きて22時には寝られる時間帯で体験してもらっています。でも、さすがに3時半起きには驚いたようです。
実作業においてはゼミプロジェクトで近隣の農家さんでお手伝いした経験のある Kさんですが、規模が大きく機械化の進む十勝の農業との違いに「ひとつの機械(大根用ハーベスターのこと)で同時にいろんなことができていって驚きました。プロジェクトのときはほぼ手作業だったので。あ、寝て間引きする(「レッツトライ!間引きクイズ」参照)のは面白かったです。」と楽しそうに語ってくれます。
実はハーベスターや間引き車も大石農産で開発したり改造したりと独自の工夫がされていることを知って感心しきり。驚きとともに少しずつ農業への理解が深まっているようです。
農業の深いところまで学んで欲しい
短いインターンシップの間に「農業が儲かる」のかどうか判断できるまでには至らないでしょうが、代表の大石は「今を見るだけではなく、ここまでたどり着くまでに我々がどれだけのことをしてきたかということに思いを馳せて欲しい。社会に必要な仕事をやり続けるということがどういうことなのか考えながら、農業を学んで欲しい。」と声をかけます。
今回、製粉をレクチャーした開拓舎とかち株式会社の栗田マネージャーは Kさんに「僕らの仕事は生産者さんがいてくれるからこそ成り立つ仕事。その生産者さんの現場に飛び込んだことは素晴らしいことだと思います。これからも頑張ってください。」とエールを送ってくれました。
農業を取り巻く環境は、大石農産の歩みと同様、これまで順風満帆というわけではありませんでした。また、これからも大きな波を乗り越えていかなければならないでしょう。しかし、農業が社会に必要な仕事であることが変わることはありません。
いつまでも Kさんのような若者が将来を託せる仕事であるように我々も精進していかなければならないと、Kさんのインターンシップ受け入れは大石農産にも大きな学びをもたらしてくれたと思います。