大樹町からお届け畑の真ん中だより
「十勝海霧そば 新そば祭り2015in大石農産」開催!<前編>
10月1日、強風が吹く直前に「十勝海霧そば」全ての収穫が終了しました!
9月末までに刈り終わりたい、という目標をほぼクリア。まずはほっとしました。
(十勝海霧そばとは)
そこで10月2日、収穫終了を祝い「十勝海霧そば 新蕎麦祭り2015in大石農産」を開きました!
普通の「そば祭り」と違うのは「作った人に一番に食べてもらう」というところ。そうです、お客様は「畑担当スタッフ」なのです。
そのため今回の祭りの準備や調理はサイト制作会社社長、開拓舎スタッフ(しかし営業と事務担当なのでお店の調理担当者ではない)、ブログ担当の私が行いました。
今回はいつもと趣向を変えて、このそば祭りの様子を前後編でお伝えしたいと思います。
迷(?)料理長登場!
当日、開拓舎にて打ったそばと色々な食材を抱えて、畑仕事が終わる1時間ほど前にスタッフ寮に集合した私たち。慣れない台所で「コンロをつけるのはどうやるんだ」「ザルはどこだ」と右往左往しながら調理を開始しました。
本日の料理長はサイト制作会社ヒットの辻田社長(左)。メニュー決め、材料調達などを一手に引き受け、ウキウキと包丁を握っています。
そばとつゆ担当は開拓舎とかちの栗田さん(右)。彼は十勝でたぶん唯一の「そば粉専門の営業」です!栗田さんがおろしている大根は、もちろん清流大根です。
マニアックなメニューがずらり
予定しているメニューは
・もりそば
・大根しぼり
・湯閑(ゆこい)
・しっぽくそば
・スープカレーそば
以上5品、と辻田料理長からの発表です。
...えーーーと。何ですかこれは。
もりそば以外、聞きなれないものばかりです。
かろうじて完成形が想像できる「スープカレー蕎麦」以外、皆目わかりません。
しかも料理の素人ばかりですから、現場は混乱を極めました。
「料理長!何をどうすればいいのですか?」と詰め寄る私たちに、辻田料理長は静かにこの本を差し出しました。
現代思潮社が昭和29年に出版した「蕎麦漫筆」という蕎麦のうんちく本で、著者は多田鐡之助とあります。料理評論家の草分け的存在の方だそうです。
「ここに書かれていることが全て。実物を見た人はいない」
「出来上がりも分量もわからないから、センスで作ってください」
とムチャぶりをする料理長。
ちなみに、このメニューを選んだ理由は「一度作ってみたかったから」だそうです。
マ、マニアック...。
気を取り直し、本を見ると「信州方面の郷土料理」として書かれているのが「大根しぼり」と「湯閑」です。
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大根しぼりは、蕎麦つゆの代わりに大根のしぼり汁を使い、そこに信州味噌と鰹節、塩と砂糖少々を混ぜたもので食べる冷たい蕎麦。
湯閑は、厚さ2センチほどに輪切りした大根を味噌汁で煮て、そこへ蕎麦を入れる温かい蕎麦。
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本の説明、以上。
己のセンスを問われつつ、料理長以下全員で何とか大根をおろしたり、味噌に鰹節を混ぜたり、乾物を戻したりするのでした。
ちなみにしっぽくそばは古典落語の有名な演目「時そば」に出てきます。
「おうッ、何ができる? 花巻にしっぽく?しっぽく一つこしらえてくんねぇ」のあたりですね。
これは長崎のしっぽく料理を模して江戸の蕎麦屋が売り出したものとされ、大きな椀にちくわ、かんぴょう、椎茸などたくさんの具をのせた温かい蕎麦のことなのだそうです。
スープカレーそばは、鶏もも肉のソテーを作り、スープカレーのレトルトに蕎麦と共に投入した温かい蕎麦でした(料理長考案)。
とにかく、メニューがマニアックすぎて、完成形が不明のまま作業を進めるうち、畑仕事を終えたスタッフの皆さんが寮に引き上げてきました!
いよいよ「新そば祭り」のスタートです!