大樹町からお届け畑の真ん中だより

大石農産を支える人々<農業資材編>

2020年12月15日

大石農産は、土づくりや作物の生産から販路開拓、トレーラーをチャーターして出荷・輸送までを自社で行っています。しかしこれは「大石農産を支えてくれる人・会社の力があってこそ」と常々聞いていました。今回、そんな「支え手」の方が来社すると聞き、お話を伺いに行ってきました。

「マルチ」「タネ」「肥料」の会社が一緒にやって来る

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ところで「農業資材」という言葉を聞いたことはありますか?農業に関連するさまざまな材料はすべて「農業資材」あるいは「資材」と呼ばれています。かなり広い分野なのですが、今回大石農産に来てくださったのはこの農業資材を扱う3人。

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左から株式会社ユニック(東京)、株式会社サカタのタネ北海道支店(東神楽町)、株式会社北肥アグリン(帯広)の営業の方が大樹町に集結!

そう、全員異なる会社なのです!まずこれにびっくりしました。聞けばシーズン終了後には必ず、今年使用した資材の感想や今後の要望をヒアリングするため、訪問するのだそうです。大石農産にはそれぞれ、マルチ(畑を覆うフィルム)、タネ、肥料と農薬を納品しています。
あいさつはずばり「今年の出来はどうでしたか?」。
寒いですね、とかもう師走ですね、とかそういうのは一切なしです。やはり全員知りたいのはそこなんです。何より一番気になることですよね。

今年の清流だいこんは、収穫期前半は快調だったのですが、後半は大雨からの干ばつで土が硬くなりすぎ、毛根が十分な養分を吸収することができなくなったことなどから、全体としては不本意な結果となりました。そのような今年の状況を包み隠さず報告したのち、原因はどこにあるのか、資材の工夫で防げるのか、全員で知恵を絞り、最適な組み合わせを考えていきます。特に今年から変更した生分解マルチ※についての話題で盛り上がりました。
また、3社からは全国的な使用資材の傾向や北海道内の状況、新製品の情報提供などがありました。全国、道内各地を回って生の声を聞いているわけですから、説得力があります。

※生分解マルチ...土壌中の微生物によって分解されるマルチ。大石農産ではこれまでも生分解マルチを使用していましたが、今年から使用メーカーを変更しました

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マルチの色による雑草の生え方で盛り上がる

驚くべきは話の進行の速さ。なんせメーカー含む3社の責任者と、(写真には写っていませんが)大石農産の社長を含む3人、合計6人によるトップ会談です。「持ち帰って検討します」なんていうことは全くなく、サクサクと商談が進んでいきます。
もう一つ驚いたことは「農家の買い物(発注)は基本オーダーである」ということ。例えばマルチの幅や長さ、タネの間隔(シーダーテープという水溶性の紐に一定間隔で種をセットします)などもオーダーできるのです。肥料やマルチ、タネの種類を選ぶだけでなく、その規格から選べるのか、とびっくりしました。

大石農産について聞いてみた!

せっかくなので、大石農産についてお聞きしました。
「年々変化する気象状況に対応すべく、いろいろな試みを積極的に行っていますね」
「とにかく土づくりへのこだわりに頭が下がります。全ての畑に対して、毎年土壌分析を行う農家さんは正直、そんなに多くないです」
「なんでも今までのやり方に固執せず、柔軟に対応してくれます」
「1年に1回しかない貴重な収穫なのに、こちらからの提案に対して『じゃあやってみよう』と言ってくれる。貴重です」とのこと。

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「後継者がしっかり育っていて、積極的に意見を言ってくれるのもありがたい」とも。やはり次の世代も大事です!

皆さんのお話から「大石農産は、変化を恐れない農家である」というフレーズが浮かんできました。来シーズンはどう攻めるのか、今から楽しみです!
皆さん、ありがとうございました!

※この<大石農産を支える人々シリーズ>は不定期でお送りします。